現場を持つ支援者の方のご相談を受け付けております
〜カウンセラー・ケースワーカー・教員などの相談場所〜
カウンセリング・ケースワークがうまく進まない場合は、クライエントさんの本質的な問題を見落としていることがほとんどです。それは何かというと、クライエントさんの「親子間葛藤」「脳機能障害」「被虐待体験など心的外傷」のいずれかです。これに気づかずに関わり続けても、事態は進展するどころか停滞し、ときには混乱さえ起こることがあります。
たとえば、カウンセリングでは「葛藤」を扱います。ここには、私たちの普段の生活では封印されているような怒りや絶望が言語ではなく感情で語られることがあります。「普段の生活」では封印されているというところがミソで、これを聞いたとき、実はカウンセラーも内心で葛藤しているのです。「なんでそんなこと言うの!」「軽々しく死にたいなんて言わないで!」などです。——そうです、葛藤を聴くと葛藤してしまうという心の性質が、私たちにはあるのです。ここを読み解いていくと、カウンセラー自身の心の問題も明らかになってきます。それを解決してカウンセリングの方向性を修正していくのがスーパーヴィジョン(Supervision)です。
自分のことが理解できると、クライエントさんの理解できる部分も増えていきます。
そうすると、クライエントさんにも変化が訪れます。
それはカウンセラーの自己理解・成長を待っていたかのようです。
一方が成長すると他方もつられて成長していくのは不思議な相互作用で、まるで何かの「つかえ」がとれたかのような潔さです。これを体感するのは貴重です。なぜならクライエントさんへの真の理解は、知識ではなく体感によって深まるからです。
相談をご希望なさる方は、お電話か下記のスーパーヴィジョン専用フォームからお申し込みください。
●ご利用例⑴:カウンセラーの方
カウンセリングには進行の順序とその度合いがあります。この両方を見誤っているとき、カウンセリングがうまく進まないと感じるようになります。このとき、カウンセラーはどうにか進めようとしてしまいますが、静かに待つ姿勢を持つことも大切です。実は、これはカウンセラー側にはかなりの試練が伴う作業で、①待てなくて、②何かをしてしまい、③余計にうまく進まなくなり、④カウンセリングが頓挫する、という悪循環が起こります。——なぜ待てなかったのか。これを検討していくと、カウンセラー自身の悩みや焦りも見えてきます。こうしたスーパーヴィジョンはつらい側面がありますが、これを乗り越えられるとより広い心で以ってカウンセリングに臨むことができるようになります。ある意味で、カウンセラーにとっての「クライエント体験」です。クライエントさんの立場になってみるのは、とても重要なことです。
●ご利用例⑵:ケースワーカーやソーシャルワーカーの方
不登校支援などの多くは、子ども本人ではなく親や教員からの要請でなされます。ここに、子どもの意思や希望が必ずしも反映されていないということを、まずはしっかりと念頭に置かなければなりません。これを失念していると、大人(支援者)側のペースに引っ張り込もうとする力が大きくなります。その最初、子どもはこれに従ってくれます。しかし、徐々に拒否されてしまうようになります。我慢して大人の意向に沿うのに疲れたからでしょう。
これは大人相手のケースワークにも当てはめて考えることができます。本人の要請ではなく、社会的にこの状況が好ましくないとして支援者側が本人を「どうにかしよう」「どうにかしたい」という気持ちがあることを見失ってしまうと、《支援》という大義名分で支援者側の思惑に付き合わせてしまうことになるのです。
くわえて、こうした現場では親や支援関係者の心理的な評価がなされていません。よって、ケース会議を行なっても結論が出ず、もしくは行なったことによって混乱することすらあります。
要請の出所はどこかのか、その内容は正当なのか、どのような関係者が動いているのか、などを整理していきます。——すると《関わらないという支援》《連携の弊害》も見えてきます。
支援とはなんなのかを捉え直し、その裾野を広げるのは容易ではありませんが、新たな概念が得られたらケースワークの選択肢も広がるでしょう。
●ご利用例⑶:教員の方
受け持っている子がトラブルばかり起こす、理解できない行動があり困っている、いくら親に伝えても動いてくれない……。子どもについての学校での困り事は多岐に渡りますが、そのほとんどに、親の見立ての誤りがあります。通常、親は子のことで学校から報告を受けると、きちんと対応しようとします。その姿勢があるからこそ、現場は困らずに済んでいます。逆を言うと、困難事例というのは、親側が学校の思うように動いてくれないことがほとんどなのです。
学校の対応は暗黙に「普通の親」を前提にして考えられています。しかし、そうではないことも少なくありません。この場合には対応に「変用」が必要です。これが自然とできるようになると、現場での困り感も幾分かは軽減していくはずです。
料金
●個人スーパーヴィジョン
50分・¥10,000
●グループスーパーヴィジョン:上限3名
50分・1名¥5,000
参考1:50分の枠を2名でお申し込みの場合、お一人様5,000円
参考2:2枠(100分)を3名でお申し込みの場合、お一人様10,000円
スーパーヴィジョンは、オンラインでの実施はありません。
当日に、ご相談になりたい事例の資料・経過記録・逐語録などをお持ちください。これらに目を通しながら検討していきます。グループでご参加の場合は、代表者様がお申し込みください。