教職員の精神疾患による休職者数とこどもの自殺者数の相関について
筆者はカウンセラーですので、こどもは大人の精神状態に左右されることをよく知っています。なので、こどもの心の問題は通常、親を通して解決を図るのが心理現場での常識です。しかし殊に学校現場となると、こどもをどうにかするものだとの思い込みもあるようで、必死にこどもに働きかけを行なっていることも少なくありません。そのすべてに効果がないというわけではありませんが、場合によっては、大人を支援したほうが効率的なこともあります。ここでいう大人とは、教員や親を指します。
ですが、繰り返しますが学校現場では、あくまで「こどもをどうにかしようと」しているようです。上述の通りそれでは非効率的で、現場の負担感だけが増えていくのも否めません。教員に心の余裕がなくなってくると、自分のことで精一杯になってしまい、こどもに十分に構ってやることができず、または何かしらのサインを見逃してしまったりもします。筆者は、こうした現場の疲労感がこどもの自殺者数や不登校の増加に関連しているのではないかと思っています。
その証拠に、教職員の精神疾患による休職者数とこどもの自殺者数の増減には高い相関関係があります(r=0.79[後に最新の数値で再計算])。因果関係ではないことに注意が必要ですが、下記のグラフ(文部科学省『令和6年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」および厚生労働省『第9回こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議』から筆者が作成)を見るとピタリと重なっているのがわかります。特筆すべきは令和2年です。この年に休職者数は減り、こどもの自殺者数が増加しました。コロナ禍による休校で教員の負担は減ったものの、学校という行き場をなくしたこどもたちの自殺は増えたのです。
ストレスは必ず上流から下流へと流れます。上流に注ぐストレスの源泉を断てば、下流には濁りのない清らかな水が流れるでしょう。
学校は、こどもたちの居場所になるべきです。学校しか居場所がないこどもたちもいるからです。
そのためには、まずは学校から「こども支援ではなく大人支援」を理解する必要があります。教員の心の余裕なくしてこどもたちとの明るい学校はあり得ません。教員への支援が親とそのこどもの心の安定になると、筆者は本気で信じています。


